大手コンビニ3社の行動計画

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生活のライフラインとなり、国民生活を支える存在となったコンビニエンスストア。今や私たちの生活には欠かせない存在となりました。
大手コンビニ各社の出店数は増え続けコンビニ業界全体の盛り上がりを見せる一方で、人手不足や人件費の高騰など経営環境の課題が浮き彫りとなりました。
そんな中、2019年4月5日 経済産業省はコンビニフランチャイズ8社を集めフランチャイズ加盟店が抱える問題を是正するため行動計画の策定を要請し、コンビニ各社はこれを受け4月25日行動計画を発表しました。

行動計画とは?

そもそも、行動計画とはどのようなものなのでしょうか。ニュース等で耳にするようになったこの行動計画ですが、正式名称は『一般事業主行動計画』と呼びます。
行動計画の目的は、社会保障法の一環である「次世代育成支援対策推進法」に基づき、従業員の雇用環境の整備や労働条件の整備に取り組むための指針を具体的に示すことです。
その内容は『1.計画期間、2.目標、3.目標達成のための対策・実施時期』といったものを定めます。
それでは、今回のコンビニ各社が発表した行動計画には、どのようなものがあるのでしょうか。

大枠としては各社共通して、

・24時間営業の是非
・店舗運営における人手不足問題の解消策
・加盟店への経営補助
・本部と加盟店の関係改善
・廃棄ロスへの取り組み

といったものが挙げられます。
そこで、今回は各社の取り組みとして、大手コンビニ3社(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン)の行動計画の中でも『24時間営業への取り組み』『人手不足解消』『食品廃棄』の3つのポイントに注目して解説していきます。

24時間営業への取り組み

セブン-イレブン

セブン-イレブンは原則24時間営業での契約となります。
行動計画では以下の形で24時間営業を止める店舗の試験導入を進めています。

【開始時期】

3月21日〜

【期間】

3ヶ月、最大6ヶ月(予定)

【詳細】

・全国の直営店10店舗にて営業時間の短縮実験
・休業時間は①23〜7時②0時〜6時③1〜5時の3パターン
・4月以降加盟店での短縮実験も順次開始(8月末までの実験希望店:約250店舗)

*ロイヤリティ:店舗がフランチャイズ本部に支払う費用。本部の持っている商標・システムやノウハウ、貸与設備、広告等の継続的使用及び経営指導を受けるための対価として支払います。多くの場合、売り上げに対しての一定額がロイヤリティとされます。

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ファミリーマート

ファミリーマートも24時間営業か否かの選択はできたものの、24時間営業にした場合10万円の手当てが支給されていました。
ファミリーマートが調査したところ、 24 時間営業の短縮を希望する店舗は 約7,000 店舗に及ぶとされています。
行動計画では実験的に店舗を定めた24時間営業の見直しの実施を明記しています。

【開始時期】

2019年6月〜

【期間】

3〜6ヶ月(予定)

【詳細】

・約270店舗を対象に非24時間営業を希望する加盟店に対して希望参加制で実施
・第一次実験で2種類の実験を実施
・第一次実験の結果をもとに第二実験などを進める

<第一次実験(1)> 週1回(日曜日)時間営業
地 域 :東京(文京)・長崎(諫早)
営業時間:①5時~24時、②5時~1時 から選択

<第一次実験(2)> 毎日時間営業
地 域 :東京(池袋)・秋田(秋田南)
営業時間:①7時~23時、②5時~24時、③5時~1時 から選択

ローソン

ローソンでは、原則的には24時間営業の方針を取っているものの2006年より時短営業の実験を行い、現在では加盟店の要望により41店舗での時短営業を実施しています。
時短営業を希望する店舗には、それまでの時短営業実験のデータを開示した上で時短営業の導入検討を進めています。
また、FC契約を結ぶ際にも時短営業の契約があることを明記した上で契約を結んでいます。

24時間営業に対する各社の取り組み

セブン-イレブン
非24時間営業店舗の試験導入
<詳細>
3月21日〜、3ヶ月、最大6ヶ月(予定)
・全国の直営店10店舗にて営業時間の短縮実験
・休業時間は①23〜7時②0時〜6時③1〜5時の3パターン
・4月以降加盟店での短縮実験も順次開始(5月以降の実験希望店:約100店舗)
ファミリーマート
非24時間営業店舗の試験導入
<詳細>
2019年6月〜、3〜6ヶ月(予定)
・約270店舗を対象に非24時間営業を希望する加盟店に対して希望参加制で実施
・第一次実験で2種類の実験を実施
・第一次実験の結果をもとに第二実験などを進める
ローソン
・2006年より時短営業実験の実施を始め、41店舗での時短営業を実施
・時短営業を希望する店舗には時短営業実験のデータを開示した上で時短営業の導入検討を進行

人手不足に対する対策

人手不足への対応について、『店舗スタッフの人的支援』と『店舗運営の省人化』の2つの面からを進めており、各社の具体的な項目は以下となっています

セブン-イレブン

セブン-イレブンでは、人手不足への対応としてオーナーヘルプ制度で本部社員がオーナーに変わって代行業務を行う制度や提携派遣会社と連携した従業員派遣制度、増加する外国人従業員を含めたスタッフのトレーニング研修の充実化等を進めています。
また、省人化においては19年3月4日に発足した省人化プロジェクトを加速させています。これは店舗の作業効率化を目的とし、店舗什器を改善した「省人化10設備」の導入を拡大するものです。
また、レジ精算での効率化を目的としたセルフレジの導入等を進めており、これにより約7時間の省人化が見込める予測になっています。

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ファミリーマート

ファミリーマートでは人手不足の対応として、店長の休暇取得増進を目的とした、店長ヘルプ制度を充実させていく予定です。
これは災害時や弔事発生時に無償で対応してくれ、単独店を中心に年1日無償化としています。また、5億円を投資し派遣会社と協力した人材派遣体制の強化を測ります。こちらは6月から実施されます。

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ローソン

加盟店の人材不足に早くから取り組んでいたローソンは、2014年3月に人財派遣会社「ローソンスタッフ」を設立し、これまでに約3,600名に研修を行い加盟店へと派遣してきました。行動計画では今後の取り組みとして店舗とクルーのニーズを合わせる「クルーマッチングアプリ」の導入や外国人採用育成ツールの導入などを検討しています。
また、省人化施策として、2016年より「1000日全員実行プロジェクト」をスタートさせ、会員購買データやIT技術を活用し店舗オペレーションや仕組みの開発を進めてきた結果、合計6.0人時/日、15万7,320円を削減しました。今回の行動計画で、さらなる新施策を導入し、合計7.0人時/日、18万3,540円の削減を目指していきます。

人手不足に対する各社の取り組み

セブン-イレブン

スタッフ支援
・本部社員がオーナーに変わって代行業務を行う制度(オーナーヘルプ制度)
・提携派遣会社と連携した従業員派遣制度
・外国人従業員を含めたスタッフのトレーニング研修の充実化等

店舗運営の省人化
・「省人化10設備」の導入拡大(省人化プロジェクトの加速) ・セルフレジの導入等、7時間の削減

ファミリーマート

スタッフ支援
・店長ヘルプ制度 ・派遣会社と協力した人材派遣体制の強化

店舗運営の省人化
・250億円を新規什器設備へと投資した店舗運営の省人化等、5時間の削減

ローソン

スタッフ支援
・人財派遣会社「ローソンスタッフ」(2014年3月設立) ・「クルーマッチングアプリ」の導入 ・外国人採用育成ツールの導入

店舗運営の省人化
・1000日全員実行プロジェクト(2016年〜)
6.0人時/日、15万7,320円を削減、今後7.0人時/日、18万3,540円の削減目標

食品廃棄への取り組み

3社が発表した行動計画では食品廃棄への取り組みも盛り込まれています。
この取り組みの目的としては、食品廃棄ロスを減らす事で加盟店の売上・利益の拡大を図れる一方で、恵方巻の大量廃棄問題のような以前より問題視されていた食品廃棄への取り組みのためといった背景があります。
それでは次章から、コンビニ3社の取り組みを解説していきます。

セブン-イレブン

セブン-イレブンでは食品の消費期限延長や販売期限の迫った商品の実質的な値引き、中食のロングライフ化などを取り組んでいます。
食品の消費期限延長では、サラダの長鮮度化に見られるような商品自体の開発の元、消費期限の延長に取り組んでいます。
このような消費期限の延長は安全性を確認、順次カテゴリー(寿司・調理サラダ等)を拡大する予定となっています。
また、2019年秋より全国の加盟店を含む全約2万店で、販売期限が短くなったお弁当やおにぎりの実質的な値引きとして、数%のポイント還元実施を予定しています。
さらに継続的に冷凍食品のバリエーションを増やし、期限を伸ばすなどの取り組みも進めています。

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ファミリーマート

ファミリーマートでは2019年7月から、おせち、クリスマスケーキ、土用の丑(うなぎ)などの季節商品の完全予約制を実施し廃棄ゼロを目指しています。
また、2020年から注文後に調理するおでんの本格導入を予定していたり、パンやサラダなどのロングライフ化商品の拡大を計画しています。

ローソン

ローソンではセブン-イレブン同様、消費期限が近い商品に数%のポイント還元を実施が決まっており、2019年6〜8月に愛媛・沖縄で実証試験を行なっています。
また、2017年9月1日より「入荷許容日」及び「販売許容日」の見直しを行なっています。この見直しを行う事で賞味期限自体を変えず、賞味期限切れ商品の削減と廃棄削減を実施しています。

まとめ

2019年6月28日には経済産業省の「新たなコンビニのあり方検討会」が開催されました。
これはコンビニ業界が、持続可能な成長を実現するために現状の課題と今後の方向性を検討するためのものとされています。
これらの政府の働きは民間企業経営への政府介入だとし厳しい声があるものの、コンビニ業界が災害等に見られるような社会のインフラとして期待されていることを受けてとも言えます。

2019年9月には行動計画が発表され約4か月経過しました。
コンビニ各社で様々な施策が進行している中で、例えばセブン-イレブンでは、作業時間や作業量の削減を目的とした「省人化テスト店舗」を7月26日に町田に開店しました。
この店舗では、セルフレジや行動計画で盛り込んだ「省人化10設備」、また作業員の導線・移動距離の行動データを分析した店舗設計などが盛り込まれていて、これまで導入済の施策もあわせ約15.1時間の作業軽減を目指しています。

これらの取り組みに見られるように、コンビニ業界では継続的に発展を続けており、今後も時代に合わせた変化が期待されます。

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